文星芸大1999年開学へ(1998年11月28日付朝日新聞) 

※以下、朝日新聞の記事を一部編集しました。

美術学科8コース、12月にも認可 栃木

宇都宮市上戸祭4丁目に1999年4月開学予定の4年制大学「文星芸術大学」の施設建設がほぼ終わり、26日、関係者に公開された。文星芸術大学の開設は、12月にも認可される見通しで、認可されれば学生の募集を始める。

定員は135人
日本画、油絵、彫刻、陶芸、デジタルグラフィック

文星芸術大学には、美術学部美術学科が置かれ、その中で日本画、油絵、彫刻、陶芸、デジタルグラフィックなど8コースに分かれる。定員は135人。大学側は、益子町での陶芸家との連携なども、カリキュラムに取り入れる考えだ。

学校法人宇都宮学園(上野孝子理事長)
宇都宮文星短大の美術学科は廃止

文星芸術大学を設置するのは、学校法人宇都宮学園(上野孝子理事長)。現在ある宇都宮文星短大の美術学科(定員100人)は、1999年度の学生募集はせず、1998年4月入学した学生の卒業で廃止される予定。

実習用の日本庭園も

文星芸術大学短期大学の敷地と合わせ、文星芸術大学の敷地面積は約4万8000平方メートル。このうち約1万平方メートルは、キャンパスから約500メートル離れたところにある実習用の日本庭園で、写生などに利用するという。

ガラス張りのデッサン室

新築された校舎は、延べ床面積約8000平方メートル。ガラス張りで226平方メートルの大きなデッサン室もある。施設の工事は、1999年2月下旬に終わる予定。

宇都宮市上戸祭4丁目

<1999年4月開学を前に施設の建設がほぼ終わった文星芸術大学=宇都宮市上戸祭4丁目>

文星芸術大「北斗祭」栃木(朝日新聞、2002年10月25日)

※漢数字の洋数字化などの編集をしました。

才気あふれる芸術作品展示

芸術家の「金の卵」の作品を堪能してみませんか--。2002年10月26、27日に開かれる文星芸術大学(宇都宮市上戸祭4丁目)の学校祭「北斗祭」は、「一流」の芸術を身近に触れる格好の機会だ。中でも陶芸コースの学生が出す展示コーナーには、数々の美術展に入選する学生たちの作品がずらりと並ぶ。

北関東唯一の4年生芸大
キャンパス内の工房

文星芸術大学は、北関東唯一の4年生芸大だ。キャンパス内の工房に足を踏み入れると、焼き物の土と釉薬(ゆうやく)のにおいがわずかに鼻をつく。

学生たちは、北斗祭に向けた最後の釜焼き作業に追われていた。2002年の展示コーナーの代表を務める3年生の武田聖さんは「培ってきた経験を披露する年に一度の舞台。力も入ります」と話す。

半数は全国規模の美術展などで入選歴

展示コーナーには大小の皿や茶わん、壺(つぼ)など約40点が並ぶ予定だ。が、レベルは「保証付きです」(林香君助教授)。陶芸コースの学生31人のうち、約半数は全国規模の美術展などで入選歴がある。県や宇都宮市主催の展覧会では入選の常連だ。

日本伝統工芸展に入選

2002年、「文星」の知名度を全国区にしたのが3年生の梶原慶治さんと、4年生の本巣秀一さん。2人は伝統工芸の最高峰と言われる日本伝統工芸展に入選。梶原さんは20歳と、日本伝統工芸展史上、最年少入選の記録もつくった。この2人も作品を出すといい、林助教授も「中央の展覧会に引けを取らない内容」と話す。

人間国宝が教授に

文星芸術大学の開学は1998年。新時代の芸術教育を掲げ、創作活動の自由度が高い。伝統校では制限されがちな美術展への出品も学生まかせだ。教授には人間国宝の青磁作家、三浦小平二さんも名を連ねる。「一流にならなくてはだめだ」が口癖で、多くの学生が独立を志しているという。

「市価の半値以下」

北斗祭はそんな学生たちの躍動に触れられる機会。実行委員長の藤樫政国さんは「芸大ならではの奥深さを堪能してほしい」と話している。展示品とは別に販売コーナーもあり、「市価の半値以下」で買うこともできる。

マンガ留学で初の卒業生。4月からは大学院に(読売新聞)

※2010年2月15日付の読売新聞の文星芸術大学美術学部マンガ専攻に関する記事を一部編集して掲載しています。

韓国出身權純美さん

美術学部マンガ専攻

宇都宮市の文星芸術大学美術学部マンガ専攻で、韓国から「マンガ留学」していた權純美(グォンスンミ)さん(26)が3月、卒業を迎える。2005年に新設されたマンガ専攻では、初めての留学生の卒業生で、「将来は、韓国で日本のマンガを広めていきたい」と意気込んでいる。

漫画家ちばてつやさんが教授

韓国・ソウル出身の權さんは、小学生の頃に日本のマンガに触れ、「日本のマンガはキャラクター造形がしっかりしている」と魅了された。現地の短大でアニメーションを勉強した後、宇都宮市在住の知人から漫画家ちばてつやさんが教授を務める文星芸大の存在を教えられ、本場で学びたいと留学を決意した。

語学学校に1年間

2005年に来日し、市内の語学学校に1年間通った。しかし、教科書通りの堅苦しい日本語だけでは満足できず、辞書を片手にマンガを読み、口語表現を学んだ。1冊を読むのに3日かかったという。今ではそうして買い込んだマンガが1000冊を超えた。

2006年入学

2006年に文星芸術大学に入学。初めて自分の手でオリジナルのマンガを描き、「ストーリーを1から作る楽しさ」を感じたという。

卒業制作で恋愛模様を描く

權さんが主に描くのは、男同士の恋愛を描いた「BL(ボーイズ・ラブ)」というジャンル。韓国では読むことの出来ない、自分の日常と懸け離れた世界に引かれたという。卒業制作でもイギリスの貴族社会を舞台に、男女3人の恋愛模様を描いた。制作中、「こんな作品、誰も読まないんじゃないか」と不安に駆られ、泣きながらペンを走らせたことも。それだけに完成した時の達成感はひとしおだった。指導した高口里純客員教授は「セリフが生き生きとしており、ドラマ重視の読み応えある作品に仕上がっている」と評する。

マンガの販売戦略も学ぶ

現在は、三国志をテーマにした作品を描いており、完成したら出版社に売り込む予定だ。4月からは文星芸術大学大学院に進学し、マンガの販売戦略なども学ぶ。權さんは、「帰国したら翻訳なども手掛け、もっと韓国でマンガを盛り上げたい」と話している。

卒業制作展

2月26日~3月2日には宇都宮市上戸祭の文星芸大キャンパスで卒業制作展が行われ、權さんの作品も展示される。問い合わせは、文星芸術大学。